回顧:安田記念

レース回顧

ちょっと間が開いてしまったね。馬券が全然当たらずふて寝の毎日なんだ。察してほしい。
気分を一新して、安田記念の回顧をやろうと思う。

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レースインプレッション

まずは概略から。
サトノアラジンの差し切りだった。戦前から川田ジョッキーが言っていたように念願の良馬場・外枠
この通り、力を出し切ればG1級であったということ。姉ラキシスにつづいての姉弟G1制覇という偉業を成したとこになる。
不思議なもので、姉は中距離こなす本格派。弟は1400ベストのマイラー。牡馬牝馬の違いでいうならば逆に出やすいものなんだが。

話は逸れるが、少し書いておこう。

ディープ産駒の距離適性について

ディープ自体、距離をこなす一流馬は牝馬に出やすい、という性質がある。
ちょっと恣意的な抜き出しにはなるが、ディープ産駒の収得賞金ベスト12は以下の通り。

  • ジェンティルドンナ
  • ショウナンパンドラ
  • エイシンヒカリ
  • リアルスティール
  • ミッキーアイル
  • リアルインパクト
  • サトノダイヤモンド
  • ディサイファ
  • トーセンラー
  • マリアライト
  • ダノンシャーク
  • サトノアラジン

赤字が牝馬なのだが、やはり牡馬はマイラーが多い。エイシンヒカリやリアルスティールなど、中距離馬もいるにはいるが、どちらもクラシックディスタンスを横綱競馬で勝つような本格派ではない。
サトノダイアモンドがそこに今一番近いのだが、どこまで伸びるか、という話になるかと思う。

話しだすとキリがないので、後日別にエントリを上げるとして、話を安田記念に戻そう。

ラップから見る安田記念

まずは公式レースラップ。

LAP:12.2-10.6-11.1-11.6-11.6-11.0-11.3-12.1

ロゴタイプが突き放したのは残り400mからだったと思うので、このラップは些か怪しい部分はあるが、最後にロゴタイプの脚が鈍ったのは間違いないので、一度飲み込んで話をすすめる。
ハイペースだと良く目にしたが、前後半で言えば、45.5-46.0でほぼフラットなラップ
マイル戦でこれをハイペースだと目にするのはやはり普段のレースがいかにスローが多いかの証左なんだなぁと思ったりもした。

さて、このペース。
昨年のロゴタイプのラップからするとたしかに淀みがないラップ。それを逃げ粘った”ロゴタイプ強ぇじゃねーか!”って論旨もこれまたよく見かけた。
ただ、こと高速馬場においての話であれば、ロゴタイプはスローより淀みがないペースの方が間違いなく強い。
朝日杯も、スプリングSも、皐月賞も。どれも斬れ味勝負の土俵から外れている。本質、ミドルからハイペースを押し切る能力に長けた馬なわけだ。
(そういう意味で昨年の田辺スローからの逃げ切りは見事だったわけだが。あれはロゴタイプの勝利というより田辺の勝利。)

先行勢全部潰したロゴタイプは確かに強かったが、自分の土俵に持ち込んだ形。皐月賞に並ぶベストパフォーマンスであったのは間違いない。
ともかく、今年の安田記念は、ペース自体は追い込み有利のラップ構成。少し速いくらいのミドルペースであった、ということ。

各馬について

サトノアラジン

やっとの戴冠。自慢するわけではないが、POG馬なんだよwで、POG馬に騙されるのはもうやめようとやめた途端にこれだよ。
と、まぁ馬券的には残念だったけど、まずは悲願の結果に対し、賛辞を。

レースは後方追い込みポジション。
4角から悠々外を回してスピード乗せて直線へ。これだけ飛びが大きいとコーナーで外回してでもゆったり走れる方が良いんだろうね。
直線ももたつくことなくトップスピードに乗せていけたように思う。その分、最後にレッドファルクスにも詰め寄られるが、凌ぎつつロゴタイプを交わしたところがゴール。
やることは決まっていて、それが功を奏す枠と馬場、展開だったと思う。大外一閃。価値ある勝利でした。

ロゴタイプ

上で散々話したから、簡潔にw
スタート後の主張が素晴らしい。ディサイファなど、本気で前に出るつもりがない馬に対する牽制で単騎を叶えた。
今年は有力馬が軒並み後ろからになった分、ペース以上に楽に流せたんじゃないかとも。サンライズメジャーに突かれたところで、なんともないだろうし。
残り400までは追い出しを我慢。ここまでも高速巡航してきたわけで、残りを振り絞る形の追い出し。ここ振り絞れたのは、inでコースロスを避けれたことにも起因すると思う。
そういう意味でも田辺、良い先手主張だった。

2線級の先行馬の脚が止まるところと残りを振り絞るロゴタイプの残り400でのコントラストが、一層ロゴタイプに強い印象を与えている。
タイム差なしの2着。連覇ならずとも良いレースでした。

レッドファルクス

未勝利以来の1600mでどんなもんかと思っていたが、淀みのない展開で高速決着がマッチした形か。
スティンガーが出る牝系にスウェプトオーヴァーボードで、確かに高速決着の東京、合いそう。と終わってから気がつくのはダメだよなぁw
こちらはサトノアラジンと同じ位置から内に潜り込み、捌いて捌いての3着。inでロスが少ない分の捌くロス。その分仕掛けが遅れて、最後の勢いに繋がった。スムーズでアラジンと同じタイミングでのスパートであれば、おそらく止まっていたんだろう。

しかしデムーロはよく動かすね。

グレーターロンドン

初の58kgで4着は立派。と言いたいところだが、追い込み有利の展開。ロスのない競馬。着に来ることが多いジョッキー。条件が揃っていた感はある。
この着に来ることが多い、というのはどうも(勝ちに対して)仕掛けが遅れ気味なところがある騎手で。
ルメールやデムーロのように早く仕掛けるようなことがあまりない。特に高ランクのレースにおいては顕著だ。

そういう勝ちに行く競馬をする騎手が突き抜けるようなレースは、往々にしてラストが厳しくなる。
仕掛けが遅れた分、そのラストにすごい脚で突っ込んできて着を拾うし、絵的なインパクトはある。が、それは1着が取れない競馬であると認識している。
この春のG1はダービーも、NHKマイルも、桜花賞も、オークスも、天皇賞に大阪杯も。ちゃんと勝ちに行く競馬をした馬が勝っている

あまり悪く言うつもりはないが、この騎手はそれができない騎手なので、勝ち切るよりも着を拾うほうが多いというわけだ。
これはキャラとして認識しておく必要はあると思っている。勝ちに行く競馬をする騎手とそうでない騎手。結果は展開に左右されるわけなので、善悪では測れないが。

とにかく。この馬の試金石は、次でも遅くないだろう。

エアスピネル

不運な競馬だったように思う。思うが、適正としてこの馬がどうこうなることはなかったのだろうな、とも。
最後の直線で進路を探した以外はロスがなく、グレーターロンドンと同じ理由で、スパートが遅れたことが功を奏したとも思っている。
ピッチで動く馬だから、スピードに乗るのは容易いだろうしね。
なんにせよ、東京だったらスローで買いたい馬。本音をいうと東京ではあんまり買いたくない馬。
サマー2000シリーズとか合うと思うんだけどなぁ。

その他

アンビシャスは調整失敗?蹄の問題?があったようだが、どちらにしても中距離馬が出る幕はない展開だった。買ってたけどねヽ(´ー`)ノ
ステファノスも上手に乗ったと思うが、こちらも中距離よりの馬が出る幕は(略

香港2騎、特にビューティオンリーも0.3差で展開一つでチャンスはあると思える結果だった。マイルCSなんかだと要らないと思うけどね。
来年、元気だったらもういっちょ来てほしいかな。その時は買う。

イスラボニータもまた、不運な競馬だったが、まともに走ったらどうなっていたか非常に興味はあるが、これも競馬ということで。
ルメールの4週連続G1制覇という偉業もまたお預けになってしまった。さすがにそうそうできることじゃないだろうから、こちらもまた勿体なかったかな。

展開と馬場、位置取りの影響が大きい競馬だったと思う。が、概ね力通りの結果でもあると思っているので、今後の指標になるレースであると思う。
では、今回はこのあたりで。

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